今や1年が365日だということは当たり前のこととして誰もが知っていることですよね。
皆様もご存知の通り、暦(こよみ、れき)とは、時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように体系付けたものを言います。
さらに、月齢、天体の出没(日の出・日の入り・月の出・月の入り)の時刻、潮汐(干満)の時刻などの予測値がわかり、農産物や行事など、人々の生活において欠かせない重要なものとなっています。
さて、今や当たり前のように存在する「暦」ですが、はるか昔の時代にはそのような考えはなかったのです。
ではいつ、誰が、どのように発見したのか…
その答えは大変興味深いものだったのです。
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人類が「暦」を発見したきっかけが興味深い件
1年が365日ということは、今では誰でも知っていますが、それが発見されたのは、紀元前3000年ごろとされるので、約5000年前でした。
それまでは、「年」というものも、はっきりとは認識されていなかったのです。
「年」を最初に発見したのは、エジプト人とされています。
しかし、エジプトには日本のような四季はありません。
つまり、季節感はあまりない地域なのです。
そんな地域で1年が最初に分かったというのは、大変興味深いことではないでしょうか。
1年は地球が太陽のまわりを一周する期間ですが、エジプトでは、ナイル川の氾濫の周期の発見が、1年の発見につながったのです。
エジプト人にとって、ナイル川がいつ増水するかを知ることは、生活していく上で、きわめて重要でした。
最初はまったく分からず、増水するたびに避難していたのでしょう。
そして、おそらくこんなことがあったのです。
ある頃から、何百日ごとに川の水が増えるのではないかと気づく人がいました。
「そんなはずはない」という人もいたのでしょうが、試しに、数えてみました。
増水し始めた日から、数え始め、やがて水が引いて、再び増え始めたのが、365日目でした。
そこで、また、1から数え始めると、次もまた365日目で増え始めました。
それにより、これは偶然ではないとなったのです。
一方、夜空を見上げているうちに、星の動きにも一定の周期があることに気づいた人々もいました。
彼らが最初に気づいたのが、恒星シリウスの動き。
太陽以外の、地球から最も近い恒星で、おおいぬ座α星といいます。
この星の動きとナイル川の氾濫周期とが関連することが分かり、ここに「365日=1年」という考えが生まれるのです。
一方、太陽がある時間を経つと沈み、またある時間を経過すると昇ることは、早くから分かっていました。
つまり、「1日」の発見は割合と早かったのです。
次に、月の満ち欠けの周期も、発見されました。
これが「1カ月」です。
月の満ち欠けは周期が短いし、何よりもその変化が大きいので、かなり早くから発見されていました。
月の満ち欠けに基づく暦は「太陰暦」と呼ばれますが、これは世界各地に見られます。
この「1年」の発見は、何の役に立ったのかというと、農耕です。
種まきや収穫の時期を計算できるようになったことで、農産物の計画的な生産が可能となったのです。
さらに、暦をより正確にしようということから、天文学も発展していったし、数学も必要になっていったとも考えられます。
いかがでしたでしょうか。
「1年」の発見は、あらゆる科学の基礎ともいえるのです。
暦は人類最大の発見のひとつといっていいほど、素晴らしい発見だったのですね!
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