サムエルソンの「経済学」が生んだ新潮流と現在の評価
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20世紀後半を代表するアメリカの経済学者サムエルソン(ポール・アンソニー・サミュエルソン)は、経済学を科学として確立させた「天才」として知られています。
1948年に出版した「経済学」は全世界でベストセラーを記録し、文字通り経済学の標準的な入門教科書として今も読み継がれる名著です。

この「経済学」には、経済学の基本的な命題や分析方法がまんべんなく盛り込まれています。
経済的組織の基礎的な諸問題、近代経済における市場と指令、需要と供給の原理といった経済学の基礎的な概念に始まり、マクロ経済学の基本的概念と政策、ミクロ経済学(供給、需要、製品市場)、賃金、レント、および利潤、所得の分配、効率と衡平と政府、経済成長と国際貿易などに至るまでの内容が網羅的かつ詳細に記述されているのです。

1955年に改訂された第三版では、アダム・スミスに始まる古典派(の実物的経済理論)とケインズ経済学(的財政政策)を融合させ、「新古典派総合」という経済学の新潮流を生み出しました。

サムエルソンが経済学を科学として確立したという評価は、ここでケインズの所得理論を数学的に定式化し、新古典派の数学的価格理論と融合する試みを行ったことからもたらされています。
「新古典派総合」は、高度な数学的理論によって裏づけられた科学的な理論体系なのです。

1970年にはノーベル経済学賞を受賞し、サムエルソンの名はいっそう高まりました。
1980年代には、規制緩和と民営化の推進によって市場を有効機能させるべきだという市場本位型の新保守主義が台頭するが、90年代になって、再び新古典派総合的な混合経済体制(ミクロは市場原理に任せ、マクロは政府がコントロールする)への流れが強まり、その後はアメリカ経済学会の主流派を形成しています。

しかし、経済のグローバル化が進行する中、ますます複雑化する問題の解決に向けて、理論経済学としての限界も露になりつつあるのが現状であるといえるでしょう。




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