仕事(ビジネス)のアイデアを形にするまでの流れ
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今日の企業の多くは、たった一人で新製品を開発し、販売するということはありません。
多くの企業では分業が確立していますから、コンセプトや具体的な製品·サービスの形が決まった段階で、あるいは決まる前からも、実際にそうした製品を作ることができるのかどうか、作れたとしても本当に利益の見込みが立つのか、生産部門はもちろんのこと、実際に販売を行う販売・営業部門にも話を持っていく必要があります。

その中で、もっと細かい問題がいろいろ生じてくるでしょう。
特殊な装置が必要になって研究所に行かなくてはならないかもしれませんし、商標の問題で法務部に相談する必要があるかもしれません。

さらに、他部門との交渉と並行しながら、本当に自分たちが考えたコンセプトが正しいものであるか、消費者調査や競合分析を行う必要もあるでしょう。
実はすでに、競合が同じことを考えているかもしれません。

もしかすると、同じ会社内であっても、知らないうちに似たような製品が作られている可能性がないわけではありません。
事業部制が採用されている組織で、かつ部門間の独立性が高い場合には、類似した製品が販売されて販売店や顧客が混乱してしまうということが起こり得ます。

いうまでもなく、これらはSTPの要素でもあります。
新製品開発プロセスには、すべての要素が関わってくるといっても過言ではありません。

無事に消費者調査や競合分析が終わり、製造に向けて他部門との段取りもつけば、いよいよ実販売に向けて生産がが始まることになります。
新製品が無事に販売されるときは、マーケターとしては感慨ひとしおのはずです。

新製品の開発プロセスはこれでひとまず終わりです。
繰り返していえば、まずアイデアを広く集め、その中から優れたものを抽出し、より具体的で顧客のニーズにつながるコンセプトを創出する。

コンセプトをもとにしながら他部門との交渉を進めるとともに、コンセプトが顧客のニーズに合致するかどうか消費者調査を用いて確認する。
これらの作業の後、実際に生産活動に入り、新製品を販売するのです。

ただし、つけ加えていうのならば、マーケターにとって最も大事な仕事は、新製品を開発し、販売を始めたそのときからこそ始まります。
製品の寿命を念頭に置きつつ、より長く顧客に愛されるように製品をリニューアルし、改良していかなくてはならないのです。




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製品を市場に投入すれば、顧客の声が企業にもたらされるようになります。
それは事前の調査とは異なり、実際にその製品をお金を払って購入し、利用し、評価した上での声です。

この声に応えていかない限り、製品が長続きすることはないでしょう。
新製品開発においては、企業内部の様々な人々の協力が必要であるのみならず、顧客の存在自体も、重要な役割を果たしているといえます。

製品の市場への投入後、どのような活動が必要になるのかについては、製品の特性やマーケティングの方針によって変わっていきます。
例えば、日用雑貨であれば、繰り返し購買してもらえるようにすることが重要になります。

そのためには、顧客の声を受けて製品を細かくリニューアルするといった必要がありそうです。
あるいは、製品のラインを増やしていくといったことも考えられます。

それに対して、自動車や住宅などの大型製品の場合には、一人の顧客が繰り返し購入したりはしません。
この場合には、定期的なメンテナンスが大事になってきます。
企業と顧客の関係は、1度の購買を契機にして継続的なものとならざるを得ず、製品販売後のアフターフォローの重要度が増すことになります。

マーケティング研究の大家であるセオドア・レビットは、1980年の段階ですでに、販売が終わった後で何をするのかを考える重要性を説いています。
彼が強調するのは、特に自動車や住宅といった大型製品の場合ですが、その重要性は、今日ではコモディティ製品にもあてはまりそうです。

「After the sale is over」…
それは、製品の存在を特権視しないマーケティングという考え方のストレートな反映なのかもしれません。




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