士郎正宗の漫画を原作とする「攻殻機動隊」シリーズは、日本よりもアメリカで高く評価された近未来SFアニメです。
この作品に影響を受けたウォシャウスキー姉弟が「マトリックス」を製作したのは有名な話です。
攻殻機動隊の舞台は、2030年代の“あまり明るくはないが、「マトリックス」や「rターミネーター」の描く未来ほど絶望的ではない、世界…
どちらかと言えば、サイバーパンクの影響を強く受けた「ブレードランナー」の世界観に近いかもしれません。
本作品の舞台は第3次核大戦と第4次非核大戦で東京が壊滅し、仮の首都が神戸の沖合にできている日本…
飛躍的に発達した科学技術で犯罪もより高度・凶悪化していく中、政府は少佐こと草薙素子を隊長とする超法規特殊部隊、公安9課、通称「攻殻機動隊」を結成しました。
この作品の世界観を支えているテクノロジーのひとつに電脳化があります。
これは人間の脳にチップを埋め込んで、脳とインターネットを直に結ぶもの…
脳内にはインターネットを通じてさまざまな知識がダウンロードされています。
そのため、例えば、ある人間と会話しながら気の利いたセリフを言いたくなったら、脳からインターネットに直接アクセスしてそのセリフを検索することができるのです。
また、電脳化により従来のような学校教育は不要になるでしょう。
なぜなら、知りたいことがあれば即座にインターネットから情報を入手できるからです。
この点で、電脳化は知能を強化する最も優れた方法と言えるでしょう。
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義体とは、腕や足、胴体、臓器、眼球といった体の器官を人工的に作り出したもので、機械の体とも言えるでしょう。
現代医学でも、義手や義足など、人体の一部の義体化は進んでいますが、「攻殻機動隊」では草薙素子のように脳以外の全てが人工物でできているサイボーグのような存在が登場します。
全身義体と化した者は、半分不死の存在と言えるでしょう。
肉体に損傷を負ったら、別の肉体に乗り替えればいいのですから…
実際、作中では草薙素子が古い義体を捨てて、新しい義体に全身まるごと乗り替えるシーンが登場します。
このことは、義体を利用すれば、いつでも自分の理想の体に脳をダウンロードするようなことができる…
ということも意味しています。
人々はあたかも自分の好きな服に着替えるような気軽さで、次々と自分の肉体を替えてそんな時代が来るのでしょうか。
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