「ニッチ戦略」とは具体的にどのような戦略なのか?

「ニッチ」とはビジネスの世界でも良く使われる言葉ですが、実は生物学では生態的地位を意味する言葉なのです。
広義として、あるまとまった範囲の環境要因のことを指し、それがビジネスの世界でも使われているのです。

さて、このビジネスの世界で使われる「ニッチ戦略」…
具体的にどのような戦略なのでしょうか。




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ニッチ戦略とは具体的にどのような戦略なのか?


総力戦略やゲリラ戦略が、市場でのトップをめざす戦略なら、ニッチ(隙間)戦略は「市場の一部で代替のきかない存在になる」やり方です。
限定された分野で圧倒的に有利なポジションを占めますが、限定されているがゆえに競争相手が現れにくく、限られた領域の目立たない支配企業になる方法…
ドラッカーはニッチ戦略をそう定義づけ、➀関所戦略、➁専門技術戦略、➂専門市場戦略の3つがあると述べています。

➀関所戦略
市場や製品で、部分的ですが不可欠な地位を築くやり方です。重要度は低く支配領域も狭いが、それがないと生産プロセスが成立しなかったり、製品そのものができない、つまり「関所」のような存在になる方法です。
関所戦略によって占めた市場は堅固なものですが、大きな成長は望めず、いかにすぐれたものであっても全体の製品プロセスの需要によって成長が規定されてしまう限界があります。
ですから、起業家にとっては、成長志向に比べて市場が小さすぎるという不満が出てきやすい方法と言えるかもしれません。

➁専門技術戦略
自動車の部品メーカーのように高い技術と専門性で、製品プロセスの中で代替のきかない地位を得て、確実に市場を獲得するやり方です。
東京の大森・蒲田(かまた)にある小さな町工場では、無名の零細企業でありながら、極めて高度な世界トップレベルの技術で、ハイテク製品のある部品シェアを独占していたりするケースがあります。
これなどは他の追随を許さなぃ専門技術力によって、がっちりとニッチな市場を形成している好例です。
この専門技術戦略で市場を確立するには、独自で高度な技術力、そしてその技術を生かせる新しい市場やビジネスチャンスを早い段階で見つけること、などいくつかの条件があります。
ただし、部品メーカーにありがちな下請けの地位に甘んじなくてはならず、元請けの動向や景気に左右されやすいため、企業としての自立性に乏しいというマイナス面もあります。

➂専門市場戦略
専門技術戦略と似ていますが、技術ではなく市場に関する知識や優越性を利用して事業を確立、成長させる方法です。
たとえば、販売ネットワークが他社よりも広く細かく構築されているような場合、それを利用してニッチ市場を確保します。
製品やサービスの質の向上による市場獲得というより、市場の構造を熟知していることや、独自のセールス法、販売ルートなどによってマーケットを拡大していくのです。
コンビニ業界の成功はこの例です。
「行きやすい、選びやすい、買いやすい」という店の立地や商品の陳列、種類に工夫を凝らし、リピーターを獲得しています。
コンビニは、商品の種類を増やし、新たなサービスを取り込むなどして発展を続けています。

図解もニッチ産業の一つであると言えるかもしれません。
他者とコミュニケーションをとる場合、活字や言葉を用いるのはいわば正攻法の総力戦略です。
それに対して映像などによって表現する場合もあります。

しかし、図解はそのどちらにも属さず、それでいながら、文字と絵のどちらの要素もあわせ持っています。
つまり、両者の中間=隙間に位置しながら(あるいは両方の分野にまたがりながら)、表現や伝達手段としては、文字のみ、絵や映像のみとは違った独自の領域を形成していて、受け手の理解に関する新しい知識を基盤にしているという点で、図解はこの専門市場戦略に相当すると 言えるかもしれません。

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