さて、問題です。
「2万円と1万円ではどちらがより価値が高いでしょうか?」…
この問いには100人いたら100人全員が「2万円」と答えるでしょう。
では、「1年後にもらえる2万円と今すぐもらえる1万円では?」…
これには「1万円」と答える人がグッと増えるのではないでしょうか。
何も日ごろからお金に困っている人ばかりではないでしょう。
では、なぜ「1年後の2万円」ではなく、「今の1万円」を選んでしまうのか…
その理由は、今すぐにもらえる1万円はその場でもらって使うことができますが、1年後にもらえる2万円は使えるまでに1年間待たなければならないうえに、果たして本当にもらえるかどうかがわからないからです。
これを専門家が考察すると、人間が消費行動を起こすときには「現在志向バイアス」と呼ばれる心理が働くということになるのです。
噛み砕いていえば「現時点に近い事案を大事にする」という傾向のことであり、見えない先の利益よりも現在手に入れられるものを優先したいという強い欲求が起こるというのです。
似たような事例でいえば、未納問題が社会問題になっている国民年金なども同じことが当てはまるかもしれません。
20代の人にとって年金は30年以上も先の話で、しかも本当にもらえるという保証はありません。
近隣諸国との関係や人口減少、大規模な自然災害などなど、一寸先は闇と感じている人も少なくはないでしょう。
ですので、それに支払うくらいなら今必要なものに使いたいという思考に傾いてしまうのも無理もない話なのです。
まあ年金問題はともかく、たとえば自分が「衝動買い」をしてしまうタイプだという自覚があるなら、ちょっとこの話を思い出してみるといいかもしれません。
人間なら誰にでも起こる偏向的な心理だと思えば、自分がとりわけ意思が弱いのではないとわかり、かえって我慢できるかもしれませんね。
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