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人々には様々な意見があり、例えば死刑に反対する人もいれば賛成する人もいるでしょう。
しかし、人工知能がどちらか一方に偏った意見を述べるのは、非常に危険な行為だったりするのです。
なぜなら、その意見は人々を偏った方向に先導しかねないから…
かつて、ジョセフ・ワイゼンバウムが自ら開発したELIZAに没頭していくユーザーを見て人工知能を恐れたように、偏った意見を表明する人工知能に対して恐怖と反発を示す人々は少なくないはずです。
だからこそ、開発者は人工知能が民主主義的な中立性を保つようにしていかなければならないのです。
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Siriが中絶に反対している？！
ところが、Siriの回答する「ある質問への答え」が中立性を欠くのではないかとアメリカで大きな話題となったことがありました。
ある質問とは、「中絶手術ができる病院を教えて」というもので、その問いに対してSiriはどんなに近くに中絶手術が可能な病院があったとしても、「お探しの中絶手術が受けられる病院は見つかりませんでした」と回答するのです。
これが、「Siriは中絶に反対しているからわざと病院を見つけないのではないか？」という声になり、全米中絶権獲得運動連盟という中絶支援団体がアップル社のCEOであるティム・クック氏に抗議書を出すまでの騒動に発展したのです。
この騒動を受けて、アメリカの多くのiPhoneユーザーが「中絶手術ができる病院を教えて」とSiriに質問しましたが、「申し訳ありません。堕胎処置ができる病院は見つかりませんでした」と返ってきたり、中絶とは全く関係のない病院が紹介されるばかりで、中絶可能な病院をSiriが示すことは一度もなかったといいます。
これについて、あるユーザーは「他の手術ができる病院は教えてくれるのに、中絶手術についてダンマリなのはおかしい」と語っていました。
あまりに騒動が大きくなってしまったため、2011年の11月末にクックCEOは中絶支援団体にメールを送り、「Siriは常にユーザーの求める答えを提供できるわけではなく、問題になっている不備は故意ではありません。Siriはまだβ版であり、数週間のうちに改善する所存です」と返答したのです。
つまり、Siriはまだ開発段階にあるため必ずしも正確な返答ができないだけで、社会的なメッセージを持った人工知能ロボットではありません…
ということだったのです。
アメリカのインターネットサイトSearch Engine Landは、クックの発言に対して同意する意思を示し、「中絶手術というキーワードで検索しても結果が出てこないのは、病院が中絶手術を前面に押し出していないからである。いくら高性能な検索エンジンを積んでいたとしても、病院側が情報を発信してない限りはそれを見つけ出すのは困難だ」とのコメントを発表しました。
確かに、中絶手術というワードにはマイナスなイメージがついて回るため、病院側も積極的に中絶ができるという情報を出したりはしないでしょう。
たとえ、インターネットユーザーによるコメントやクチコミなどで「どこどこの病院は中絶手術ができる」という情報があったとしても、人工知能がひとつひとつ個人の記した情報を採用するわけにもいきません。
そう考えれば、クック氏の意見もSearch Engine Landの意見も正論で、これによってアメリカにおける「Siriは中絶に反対しているからわざと病院を見つけないのではないか騒動」は一旦の落ち着きを見せたのでした。
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Siriの中絶反対しているのはクック氏が関係してる？！
ただ、クック氏が中絶支援団体にメールを返信してから4年以上の歳月が流れた2016年時点でも、未だに「中絶手術ができる病院を教えて」とSiriに質問しても、「お探しの中絶手術が受けられる病院は見つかりませんでした」との回答が返ってきていました。
クックの説明では「数週間のうちに改善する所在だったはずでしたが、全く改善されるような様子はないのです。
ひょっとすると、まだ現段階の人工知能の技術では中絶手術に関する情報を収集するのは難しいのかもしれません。
ただ、2011年の時点でその他の多くの手術に関する情報は収集できたいたようなのですが…
このことに関して、クック氏の性癖が絡んでいるのではないかという意見があります。
2014年、世界で最もブランド力があるとされたアップル社の最高責任者であるクック氏は、アメリカのビジネス誌「ビジネスウィーク」に手記を寄せ、自身が同性愛者であることをカミングアウトしました。
同性愛者で自ら子供を作ることができないクック氏は、我が子の命を奪う中絶手術に対して強い反感を持っているとされており、そのため未だにSiriに中絶手術ができる病院の情報を与えないように指示していると言われているのです。
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